受験勉強について

大学受験の勉強には「休み」も大切です。

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疲れには逆らえない、「休み上手」になれ

 仕事と同じで大学受験の勉強にもスランプがあります。原因はほとんどが精神的、肉体的な疲れです。「このごろ調子が上がらないな」と思ったら、丸1日たっぶり休んでください。
 社会人の勉強に疲労や睡眠不足はつきものです。疲れても仕事は休めませんから、知らず知らず蓄積していきます。するとどうしても、勉強の意欲が衰えたり集中力が続かなくなったりします。
 そういうときには気持ちばかり焦ってしまいますから、つい無理をしがちです。あるいは「こんな調子じゃダメかもしれないな」と弱気になったりします。
 けれども、スランプの原因が疲労感だと割り切れば、無用な不安はもたずにすみます。ゆっくり休めばいいのです。運動して汗を流してもいいし、好きな映画のDVDを観てもいいし、とにかくからだやこころをリラックスさせることが先決です。
 あまり無理をすると、勉強が進まないばかりか仕事に対する意欲も失われてしまいます。40代以降の人は、無理を重ねるとうつ病になりやすい時期ですから注意が必要です。

受験には「禁○○」も「△△断ち」も逆効果だ!

受験勉強中の我慢
 あまりストイックな計画を立てると挫折します。好きなことはほどほどに楽しみながら、「勉強する生活」のリズムをつくってください。
 仕事と勉強の両立は、どうしても禁欲的なイメージになってしまいます。いまの趣味や楽しみの時間を削らないと、勉強時間をつくれないと考えがちです。
 でも自分の楽しみの時間や、趣味まで禁じる必要はありません。ちょっとペースを落として、たとえばいままで週末ごとに楽しんでいたドライブは月2回にしたり、趣味の読書や映画鑑賞も日曜日にまとめたり、ほどほど楽しみながら勉強したほうがストレスはなくなります。
 わたし自身、大学受験の勉強がいちばんハードだった高3の1年間でも、日曜日の映画館通いだけは続けました。それがほんとうに楽しみだったから、1週間の勉強を頑張りぬけたと思っています。
「勉強する生活」を当たり前のように続けている人は、みんなほどよい息抜きや楽しみの時間をつくっているものなのです。

大学受験生へ…”勉強できる環境は必ずある!!”

大学受験の勉強する環境

 勉強は気分に左右されます。いくらその気になっても勉強に手のつかない環境では長続きしません。まず「かたち」から入るというのは大事なことです。
 大人の場合、自分専用の勉強部屋や書斎をもっている人は恵まれていますが、そうでない人でも工夫次第で勉強コーナーはつくれます。

スペースは狭くても、そこで机に向かえば気分が出てくる環境は大切です。
 たとえば早朝に時間をずらすことで、ふだんは家族が集まる居間のコーナーを自分の勉強空間につくり変えることだってできます。

そこに参考書や問題集、専門書や辞書を並べ、ツールもそろえて座るだけで気分が出てくるようにしてください。
 それから「絶対合格!」とか「目標突破!」「初志貫徹!」といったいかにも受験生向けの標語も有効です。

危機感や切実な気持ちが、失いかけた集中力を取り戻してくれるからです。
「標語や張り紙なんて子どもみたいで格好悪い」と思うかもしれませんが、勉強するときの気分は大人も子どもも同じなのです。

オンライン家庭教師は「勉強の妨げを排除」を教えています。

受験勉強の妨げNG
 勉強を妨げるものの一つに、人間関係があります。「なるようにしかならない」とか「世渡りがうまけりゃいい」と考える人間とつき合うと、こちらまで流されてしまいます。

「大人なんだから誰とつき合おうが関係ない」と思うかもしれませんが、自分で勉強しようと考えたときには身のまわりの人間関係は大切になってきます。

 理想は同じような日標をもって勉強している仲間とつき合うことですが、それがかなわない場合でも勉強することに興味や理解を示す人間とつき合ってください。

読んで面白かった本の感想や勉強法のことなどを、リラックスしながら話し合える友人なら最高です。

このことは大学受験生にもあてはまります。

 そして不思議なもので、勉強をし始めると自然に勉強している人間に出会います。書店の専門書のコーナーで先輩に会ったり、同僚のデスクの片隅に読みたい本が置いてあったりするからです。

 勉強している人間は向上心を失っていません。そういう相手となら、遊びをつき合っても楽しい時間をすごせるはずです。

「ただの物知り」で終わったら意味なし

物知りで終わらない受験勉強
 勉強は自分の得になるから続けられます。
「好きだから」という理由だけでは飽きてしまえばおしまいで、物知りにはなれても得することは何もありません。
 たとえば心理学が好きで、ユングやフロイトの理論をどんなに勉強しても、「すごいねえ」とか「よく知ってるねえ」と感心されるだけです。

それが仕事に直接結びつかない分野の勉強だとしたら、ただの自己満足で終わってしまいます。
 でももし、すでに大卒の資格をもっている人が編入学して心理学コースを学べば、精神保健福祉士の受験資格が得られます。

大学院に入学して学べば臨床心理士の受験資格も得られます。
 それに合格すればもう、ただの「心理学オタク」や物知りではなくなります。

好きなことが自分の仕事や収入に結びつくのです。
 どんな勉強でもそうです。「好きだから」という理由でコツコツ続けるだけでなく、できるだけ「得になること」をめざすこと。

それによって明確な日標が生まれ、モチベーションがアップします。
オンライン家庭教師だけでなく、塾でも学校でもそういった仲間に出会うことが大切です。

次の記事を読む→ 【受験生向けの問題集の選び方!】

【受験対策】問題集の選び方について

受験に使う問題集

 問題集のレベルは、「ちょっとむずかしい」くらいがちょうどいい。すぐに解けるのはやさしすぎます。解答を読んでも理解できないようではむずかしすぎます。
 書店にはたくさんの問題集が並んでいます。

解答を読んで「なるほど」と思える問題集を選ぶ

なるほど!問題集
受験や標準テストをめざす人は、その中から自分に合った問題集を探さなければいけませんが、パラパラとめくってみて現時点で解けそうもない問題が並んでいる問題集は買わないほうがいいでしょう。これは参考書と同じです。

 かといってかんたんすぎる問題集も困ります。受験勉強はかぎられた時間内で合格圏に入れる勉強をするのですから、問題集1冊でもそれを解くことで自分の力が伸びなければ意味がないのです。
 そこで、「少しむずかしいけど答や解説を読めばわかる」というレベルの問題集を選んでください。これは自分の理解力で対応できるということです。1冊解くことで着実に力を伸ばすことができます。

塾に問題集を持って行くときも、この方法で選んだものを持って行くようにしてください。

大学受験では「やり残した分野」が出がち

 本番の試験では「ああ、この分野まで手が回らなかった」という問題がしばしば出ます。やり残しをつくらない勉強計画を立てましょう。
 受験勉強には苦手科目と課題科目があります。

苦手科目は時間をかけて勉強してもなかなか成果が出ませんが、課題科目はこれまでやっていなかったから、できない科目なのでとにかくひと通り勉強しなければいけません。
 ところが苦手科目に時間を取られすぎると、本番までに課題科目のやり残しができてしまいます。あるいは完ぺきを期してあまりていねいに勉強しすぎても時間が足りなくなり、課題科目が終わらないということもあります。

 たとえば大学受験の世界史や日本史など、古代からコツコツ勉強して近代や近世まで仕上げたのに、そこで時間切れになってしまい、本番では現代史の分野からたくさん問題が出てガックリするという例はよくあります。

 これは勉強のペース配分を間違えたということです。配点を考えれば、苦手科目に時間を取られるより、やり残しをつくらない学習計画こそ大事になってきます。

勉強は本来、「平日」にするもの

平日に受験勉強
 土日に勉強の計画をつめ込むと、それだけ平日は勉強しなくなります。しかも1週間たてば記憶も薄れます。あくまで平日中心の勉強計画を立ててください。
 平日は帰宅が遅くなったり、疲れて勉強どころではないと思うかもしれません。

 でもそれなら早朝の時間活用や日中の細切れ時間の活用を考えてください。1日の中には「この時間だって勉強できるぞ」と思える時間がいくつもちりばめられています。

「土日にまとめて勉強しよう」と思うと、平日の時間管理がどんどんルーズになってしまいます。

 それにいくら計画を立ててもその通りにいかないのが勉強です。遅れた分は土曜日に取り戻すとしても、日曜日は完全にオフと決めてストレスを発散させなければ、長丁場は乗り切れません。

 平日の中に勉強時間をつくり出せる人が、結果として土日を自由に活用することができます。スケジュールに余裕が生まれるのです。

平日学校が終わった後に塾に行くのが効果がありそうですね。

普段の勉強と「受験勉強」は違う?

大学受験と普段お勉強の違い

「勉強」と「大学勉強」はまったく違うものと知ろう!

 学びたいことを自分のペースで進めるのが「勉強」。学びたくないことでも試験日に合わせて進めるのが「受験勉強」です。

 あなたがこれから取り組むのは「勉強」なのか「受験勉強」なのか、そのことだけは確認しておきましょう。

 好きな分野、興味のある分野の専門知識を深めるのは勉強です。入試や資格標準テストの合格をめざすのは受験勉強です。

 勉強はじっくり取り組んで、どんどん高いレベルをめざすことができます。でも受験勉強は違います。試験日までに、合格できる力さえつけばいいのです。

 その意味では、受験勉強こそテクニックを必要とします。かぎられた時間で合格点を勝ち取るためには、効率のいい「勉強法」を知る必要があるからです。

 では好きな分野、興味のある分野を学ぶ勉強はテクニックが必要ないのでしょうか?
 そんなことはありません。大人になってからの勉強は時間的な制約があり、モチベーションの維持というむずかしい問題があります。それを乗り越えるためのテクニックが必要なのです。このことは大学受験の勉強にも共通します。

大学合格祈願

「理解」をめざすのが普段の勉強、「合格」をめざすのが受験勉強!

 本や参考書を読んで、その内容を理解すれば勉強したことになります。でもどういう内容だったかを問われて答えられなければ、受験勉強とはいえません。
 わたしたちは本を読むと「なるほど」とか、「わかった」とか思います。

 ところが時間がたつと忘れてしまいます。人物の名前を忘れたり用語を忘れたり、理論や問題の解き方を忘れたりします。

 けれども勉強は「わかる」ことで次のステップに進めます。忘れたことはそのつど、確認すればいいからです。

 受験勉強は違います。わかったらそのことを記憶に定着させなければいけません。英単語でも専門用語でも、しっかりと覚えておかなければ試験に出たときに答えられません。

 でもこれは、受験勉強のほうがむずかしいということではありません。

 どちらも基本はまず、理解です。
 あとは実際に問題を解くか、解かないかの違いがあるだけです。