受験に「合格する」ための方法があります。
ただ勉強すればいいというわけではありません。
ここでいう受験には大学受験も入りますし、社会人の資格取得や標準テストも入ります。
わたしは合格する「勉強法」があると信じ、これまで20年以上にわたってはおもに大学受験について考えてきました。
●どうすれば受験に強くなるのか
●受験に強い人と弱い人の違いは何かということです。
そしてそれらは、社会人の資格挑戦にも十分に有効だという確信を深めております。というわけで、この本はどちらにも通用する内容になっています。
試験に強い人というのは、かけた時間をいかに「点」に結びつけるか、ムダなく実行している人です。
つまり、予習より復習重視、あるいは自分ができないところと勉強をすれば成績が上がるところの見極めや割り切りがよくて、バランスよく「点」を得ようとします。
そのためには、早い時期からの「過去間」は欠かせません。
わたしは「過去問サンドイッチ」という勉強法を提案していますが、これはじつに効率のいい勉強法になります。本文で確認してください。
今回、わたしはこれまで提唱してきた合格するための勉強法を、「大切なことは1行でわかる」というコンセプトでシンプルにまとめてみました。
受験勉強(これはふつうの勉強とは違うことも本文でご説明します)に対する基本的な心がまえ、「過去間」の使い方、ノートの取り方、追い込み術、時間の使い方、スケジュール術、本番で1点でも多く取る法などをふくめ決戦に強くなるテクニックをなるべく短く並べてみました。
ここがうまくいかないとこれまでの努力がすべてふいになってしまうのが、受験であり、資格取得だからです。
日本は深刻な不況下にありますが、試験に強くなるというのは、じつは人生を楽しく生きる方法でもあるとわたしは信じています。
試験の成功とともに、ぜび人生の成功も勝ち取ってください。
試験に受かることは、始まりにすぎません。
天王寺にある修慶塾で働いている私は生徒にもそれをしっかりと教えています。
大学受験とは、自分の可能性を試すこと
この本を手に取ったみなさんは、これから勉強しようと考えています。理由はさまざまでしょうが、とにかく「勉強するんだ」「勉強しなくちゃ」と考えていることだけは間違いないと思います。
すでに勉強をスタートさせている方も多いでしょう。資格取得のための勉強や、TOEICのような標準テストをめざす勉強、あるいは仕事の上で必要な知識をさらに深めたいと考え、専門書や参考書をそろえてコツコツと学んでいる人たちです。
もちろん、自分が希望する大学受験成功をめざして、必死で勉強している受験生諸君もふくまれます。
そういったみなさんに、わたしがまず申し上げたいのは、いまの気持ちをどうか大切にしてくださいということです。
実際に勉強を始めている人はもちろん、これからやってみようと考えている人でも、勉強の必要性に気がついたというだけでもとてもすばらしいことだと思うからです。
㈰まず、社会人の方に申し上げます。
社会人にとって、勉強は必須ではありません。
少なくとも、高校生のように期末テストが待ちかまえているわけでもないし、課題や宿題が出されているわけでもありません。やらなくてもすむのが社会人の勉強です。
まして多忙なビジネスマンは、日の前の仕事やスケジュールを消化するのに精いっぱいというのが現実でしょう。1日の業務が終われば、テレビを観たり本を読んだりお酒を飲んだりしてリラックスしたくなります。
けれどもあなたは勉強しようと決心しました。プライベートな時間をただくつろいですごすのでなく、あえて自分にもう一つのノルマを課してみようと考えています。その理由はただ一つ、「自分の可能性を試したい」と思うからです。毎日の仕事をこなすだけならいまのままでも十分かもしれませんが、もう一段、高いレベルをめざそうと決心したのです。不況のことも頭をよぎったかもしれません。
㈪受験生諸君にも同じことがいえます。
いまの力で入れる大学をめざすのではなく、さらにレベルアップさせて難関大学の受験は、「自分の可能性を試したい」からです。志望校の合格こそが、諸君の勉強の日標になります。
そういったみなさんの決心に、わたしはこころから拍手を送りたいと思います。そしてその決心を、できるかぎり応援するつもりで天王寺で塾講師として働いています。