1.ミスを拾うと新たな問題を1問解いたことになる
解けたつもりの問題でもかならず見直しをしてください。
たった1問でもケアレスミスに気がつくと、ものすごく得した気分になります。
どんなに集中していても、ミスをするのが人間です。
完ぺきに仕上げたつもりの仕事に思わぬミスが見つかって愕然とすることはしばしばあります。
試験もまったく同じです。気を張りつめて細心の注意を払っているようでも、信じられないミスや勘違い、見落としがあります。
仕事ならやり直せばすみますが、試験の場合は、あとで気がついても手遅れです。
したがって、時間が余ったらしつこいくらいに答案を見直してください。
中には試験場から出て行く人もいますが、格好つけても点数は増えません。
ミスを一つでも発見すると、自分だけ優位に立った気持ちになります。
思わぬ拾いものをしたのですから、新しい問題を解いたことと同じです。
この得した気分が答案用紙全体をさらに注意深く見直しさせることにもなるのです。
2.解けない問題の中にも「サービス設問」が混じっている
捨てたつもりの問題でも、最後のチャンスで得点の可能性があります。
いくつかの設問の中には基礎的な知識で解けるサービス設問が混じっているからです。
苦手な分野から出題されると、パッと見て「これは捨てよう」と判断する場合もありますが、時間が残っていたらかならず挑んでみることです。
たとえば長文のあとにいくつかの設問がある場合、諦めずに読んでいくと「ここはわかるぞ」という問題がふくまれています。
全体の難度は高くても、それぞれの設問の難度にはバラつきがあって当然だからです。そういう設問を一つでも拾えれば着実に得点アップにつながります。
それから試験問題全体を解くことで、頭の中が整理されてきます。
それによって棚上げしていた問題を解く糸口が浮かんだり、自信のなかった問題でもべつの問題がヒントになって突然、答が浮かんでくることもあります。
つまり、試験終盤には、問題を解く能力が開始直後より高まっていることが多いのです。
だから諦めてはいけません。
3.合格を勝ち取った瞬間からほんとうの勉強が始まる
受験勉強を通して得たノウハウと自信は、ほんとうの勉強にもかならず役に立ちます。
合格した瞬間から新しいチャレンジが始まるのです。
ここまで受験に合わせた勉強法を解説してきました。
ひとことでいえば、問題を解く勉強、合格点を取るための勉強です。
けれども勉強の最終日標は、自分自身で課題を設定して知識を学び、それを価値あるものへと高めていくことです。
そのとき、ここまでの努力が生きてきます。受験勉強で培ったノウハウや自信というのは、
ほんとうの勉強への基本的な心がまえをつくってくれるからです。目標を決めて計画を立て、
時間を活用しながら自分の意思を貫くというのは、どんな勉強にも欠かせない態度になってくるからです。
現代はもはや、一つ資格を取ればそれで安泰という時代ではありません。希望する大学に合格すれば安心という時代でもありません。
つねに勉強する人間だけが自分の夢を実現します。
合格は、その夢に向ってのスタートだということを忘れないでください。