どうせ勉強するなら「勝てる分野」で勝負すること
苦手な分野の勉強は苦しいだけでなく、自分に自信をもてなくなります。あなたが選んだ勉強は勝てる分野の勉強なのか、冷静に問いかけてみてください。
季節の移り変わりや自然に興味のある人が、気象予報士の資格をめざして勉強するのはOKです。
でも数学が苦手な人が税理士をめざしたり、財務や金融の勉強をしようと思ってもよほど強い動機づけがなければ続きません。
そこで、自分が取り組もうとしている勉強は「勝てる分野」なのかどうか、参考書や問題集を読んでみてチェックしてください。そこで「苦手な分野ばかりだな」と思うか、「これなら勉強すればなんとかなる」と思うかが分かれ目になります。天王寺の天王寺で教えている塾の生徒にも同じことを伝えています
大学受験の場合でも、入試の受験科目や配点、出題傾向といったものを調べて、それが自分の「勝てる分野」かどうかで、志望校や学部を選ぶべきです。少なくとも、偏差値や模試の合否判定だけで志望校を選んではいけません。
といっても、いまの時点で理解できないから諦めようという意味ではありません。たとえむずかしそうでも、「こういう分野なら嫌いじゃない」と思えればいいのです。
売れている参考書や問題集には「売れるわけ」がある
「わかりやすい」「使いやすい」「充実している」といった長所があるから売れます。
総合点が高いのです。初級者にも安心して使えます。
目立つところに20冊30冊と平積みされている本があれば売れている証拠です。
書店は売れ行きがよければ大量に仕入れます。
奥付(本の最後のページ)を見れば、初版がいつごろ出てどれくらい売れているのかもわかります。
ロングセラーの参考書や問題集も、それだけ色あせない内容だということです。書店の人に評判のいい本を尋ねてもいいでしょう。
資格試験をめざす場合は、セミナーや予備校の講師が書いている本も狙い目です。なんといっても受験のプロですから、内容もわかりやすくてしかも最新の情報や傾向がわかるようになっています。
いちばんまずいのは、内容もろくに見ないで出版社が大手だからとかその分野で有名だからといった理由で買ってしまうことです。
あくまで内容第一で選んでください。
できない人ほど「むずかしい参考書」に手を出す
わかることから始めていくのが勉強の基本です。背伸びや見栄は禁物。むずかしい参考書は所有欲を満たしても理解力を伸ばしてはくれません。
私も昔はそれで悩まされましたし天王寺の生徒も悩んでいる方が大勢います。
むずかしい理論や専門用語に出合うと、わたしたちはなんとなく勉強した気分になってしまいます。とくに社会人の場合は、どんな分野の勉強でも、いまさら初心者けの本に手を出すのは格好悪いような気がします。
たとえば資格試験をめざす場合でも、書店のコーナーに並んだ参考書の中から細かい活字が多くて中身のつまった本を選んでしまい、イラストや図解の多い本、ページ数の少ない本は敬遠しがちです。
「初心者向けの参考書はすぐに物足りなくなるだろう」と考えて、レベルの高いものを選ぶ傾向があります。
でも自分の実力より上の参考書は、まったく役に立ちません。
読んでもさっばりわからないのですから、勉強の入り口で「我慢」と「退屈」を強いられ、そこで挫折する可能性が高いのです。