天王寺の塾講師として働く私が世界一だと思う外国語習得法がある。私はそれを「ジェームズメソッド」と呼んでいる。この方法を実行したいなら、ジェームズ兄弟の学習法にならうだけでいい。教養が高く裕福な両親の元に生まれたへンリー・ジェームズとウィリアム・ジェームズは、幼い頃にアメリカとヨーロッパを行き来する生活を送り、外国の言葉を現地の家庭教師に教わった。ヘンリーとウィリアムの父親は、「五感に訴える教育」を息子に与えると決めていた。のちに小説家として有名になったヘンリーは、パリ、ボローニャ、ジュネーブ、ボンで家庭教師について語学を教わった。
外国語をマスターする
それぞれの地でまとまった時間を過ごし、大人になってからも定期的に訪れた。その結果、フランス語、イタリア語、ドイツ語を流陽に話せるようになった。
ジェームズメソッドは、幼少期の発達に外国語と一流の指導を組み込むというものだ。マルチリンガル家庭で育つこととまったく同じではないものの、それにかなり近い。子どもは、新しい言語を理解し使わざるをえない状況に追いやられるとーその言語で生活する国に住むとー、素早くその言語を吸収する。ジェームズ兄弟はそういう状況に置かれたと言っていい。大人と同じように英語でない動詞や名詞を覚えないといけなかったが、彼らの場合は、脳の言語をつかさどる領域がまだ発達段階のときにそれを行った。
そういう機会が得られれば最高だ。塾では生徒さんにそういった機会を与えてあげたいと思っている。
勉強で外国語を完璧にするためには、、、
それが得られない人、たとえば、ジュネーブ、パリ、テキサスなどで幼少時代を過ごし、ペルシア語を身につけたいと思っている人だ。五感にあまり訴えない方法で言葉を覚えることになり、しかもその大半の作業はで行わないといけない。それ以外に身につける術はない。裏技や秘密の暗号も存在しない。世界には、特定の職種に就きたいがために、外国語である英語を習得する人が大勢いる。
科学の仕事はもちろん、行政、1T、ツーリズム、貿易関係の仕事にも英語は必要になる。英語が母国語で教育を受けた人は、2、3万の単語に何百というイディオムや慣用句を知っている。ゼロから英語を学ぶ人にとっては、その半分を詰め込むだけでも大仕事だ。
ある調査によると、それだけ覚えるには、一日2時間の勉強を5年ほど続けないといけない。
それに、覚えればそれでおしまいというわけではない。例の「覚えるために忘れる理論」によれば、知識の保存と検索はまったくの別物である。「epitone」という単語を勉強した(脳に保存した)からといって、それを見聞きしたときに検索して引きだせるとは限らない。流陽に使えるようになるー永遠に増え続ける辞書がいつでも利用できて、瞬時に検索できる状態にな
ためには、単語を保存するための時間だけでは十分ではないのだ。