やっと塾の先生っぽいコラムのタイトルですね。ここ天王寺のも多くの受験生がいると思うのでぜひ読んでください。
分散学習を研究した人
分散効果を日常の勉強に使えるようにしようと懸命に努力した人々には、一つの共通点がある。彼らは研究者であると同時に教師でもあった。学生が知識を詰め込んでも何一つ記憶にとどめておけないのは、一概に彼ら自身の責任とは言えない。
学んだことを記憶にとどめさせるような授業をするべきであり、そのためには間隔をあけて授業で復習すればいい。もちろん、何らかの復習はすでに授業に取りいれられていたが、教師の直感かカリキュラムの一環として行われることが一般的で、記憶の研究にもとづいて行われてはいない。
「私の心理学入門講義を受けておきながら、何も覚えていなくて翌年にまた履修する学生にうんざりしています」と、カナダのヨーク大学で心理学を研究するメロディ・ワイズハートは私に言った。
「そんなのは時間とお金の無駄です。せっかく高い学費を払っているというのに。それに教師としても、学んだことを覚えていられるような教え方をしたい。それが教師の務めです。
復習するタイミングが大切
要点を復習する最適なタイミングは、絶対に知っておくべきです。分散効果を踏まえると、一度教えた内容にどのタイミングで再度触れるのが最適となるのか。試験勉強はどういうスケジュールで行うのがもっとも効率的なのか。こういうことを把握する必要があります」
2008年、ワイズハートはカリフォルニア大学の同業者ハロルド・パシュラーとともに研究チームを結成し、先の疑問に初めてちゃんとした答えを与えるための大掛行った。まず、実験の被験者として幅広い年齢層から1354人を選んだ。選ばで作業する「遠隔調査」の協力者として、アメリカ内外から登録したボラは、翌のあまり有名でない事実を勉強することになった。
たとえば、「スパイスの効いたメキシコ料理がもっとも食べられているヨーロッパの国はどこか?(正解は)ノルウェー」「雪上ゴルフを考案した人は誰か?(正解は)ラドヤード・キプリング」「1492年にコロンブスが新大陸に向けて出港したのは何曜日?(正解は)金曜日」「スナック菓子『クラッカー・ジャック』パッケージに描かれた犬の名前は?(正解は)ビンゴ」というものだ。
被験者にはこれらを学習する機会が2回与えられた。グループAの被験者は、2回の学習時間のあいだに10分の休憩しか許されなかった。グループBの被験者は、1日あけて2回目の学習に取り組んだ。
グループ分けで研究
グループCは1カ月あけて2回日にのぞんだ。このように1回日と2回目の学習間隔をグループによって変え、最長間隔は6カ月となった。また、覚えたことの最終試験を受けるタイミングもグループによって変えた。こうして、パターンは全部で%種類となった。研究チームは10種類すべての結果を比較し、試験の日程に応じた最適な間隔を算出した。
「簡単に言うと、勉強時間を分散する最適な間隔は、いつまでそれを覚えていイズハートとパシュラーの研究チームはまとめた。
これらの数字は厳密ではなく、どちらの項日も切りのいい数字にしている。とはいえ、厳密な数値にかなり近い。試験が1週間後にあるときは、学習時間を2回に分け、今日と翌日、または今日と明後日に勉強する。学習時間をさらに1回増やしたいなら、試験の前日にするとよい。試験が1カ月後なら、今日勉強して1週間後にもう一度勉強するのがいい(学習時間が2回の場合)。もう1回増やすなら、そこから3週間ほどあけて、試験の前日に時間を設ける。
試験の日程が遠い(つまり、準備する時間がたくさんある)ほど、学習時間の1回日と2回日の間隔が広がる。試験までの時間と2回目の学習までの最適な間隔を割合で表すと、試験までの時間が長いほどその割合は減少することが、この実験で明らかになったのだ。