受験勉強について

受験勉強に充てるは時間ではなく量で区切る!

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勉強の区切りは時間の長さでなく「分量」でつける

 集中力のないときほど、時間に対してルーズになります。

「この問題集をあと2ページやる」と決めて取り組んだほうが、気分よく勉強を切り上げられるのです。

「あと1時間やろう」と思っても、集中力のない人は途中で諦めたり、中だるみの時間をすごしたりします。

これでは「よし、終わった」という区切りの気持ちが生れません。

 とくに社会人の勉強は学校の授業のようにはっきりとした始まりと終わりがないのですから、自分で区切りをつけるしかありません。

その区切りは、時間ではなく分量でつけるようにしてください。

これは集中力に自信のない人ほど有効な方法です。

 分量で区切りをつける場合、最初は短い時間で終わらせることのできる量から始めてください。

「きょう中に10ページ進める」ではなく、「あと2ページだけやってしまおう」といった区切りです。

集中力のない人でも、とにかくその分量だけ終わらせることを考えればいいのです。

 やり終えて「まだできるぞ」と思ったら、もう2ページだけ挑戦してみることです。

それによって、短い時間の集中力を鍛えることができます。

1週間を7で割ってはいけない

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 週単位の目標分量を決めたら、それを5で割って1日の分量を出してください。

「これじゃあ多すぎる」と思ったら減らせばいいのです。

 たとえば過去間を1週間で50ページやる計画を立てたとします。

5で割れば1日10ページです。

実際に解いてみて、それが実行可能な分量だと思ったら目標は決定です。

 実際にやってみてかんたんに実行できるようなら目標を上げてください。

でもほとんどの場合、予定通りには進まないでしょう。

「できるはずなのにできない」という人が多いと思います。

 その遅れた分を、残り2日のうちの1日で取り戻すようにしましょう。

通常は土曜日ですが、社会人でしたら職場や自分の都合に合わせていいです。

 するともう1日残ります。ここは完全にオフにしてもいいし、午後や夜の2時間ほどを復習に当ててもいいです。

とにかく1週間単位の目標分量を確実に消化することです。

 1週間を最初から7で割ってしまうと、遅れを取り戻すことができません。

”自分を責めた人”が、勉強から脱落する!?

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 予定を決めてもその通りにいかないのが勉強です。

そこで「自分はダメだ」と思ってしまえば、勉強を続ける気力まで失くしてしまいます。

 受験勉強にかぎらず、すべての勉強にとって何より大切なのは「継続」です。

日によって波があってもいいから、とにかくコツコツと続けることです。

 もちろん毎日の目標は大切ですが、それを達成できない日があっても落ち込む必要はありません。

できない日はできないなりに、「きょうはせめて問題集2ページだけでもやっておこう」と考えて達成可能な目標に切り替えてください。

 それによって、ダメでもダメなりの積み重ねができます。長い日で見たとき、この積み重ねこそがものをいいます。

「諦めずに続けてきてよかった」と思うのです。

 目標達成だけにこだわると、予定を消化できないことで焦りが生まれたり自信がなくなったりします。

「今回もダメかな」と思ってしまうと、せっかく勉強しようと決心したことまでグラついてくるのです。

自分の「集中力」に勉強時間を合わせるべし

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 集中力は長く続きません。

最初から長時間の勉強計画を立てても、それがあなたの限界を超えていたら結局は集中できない勉強になってしまいます。

 わたし自身、きわめて集中力のない人間です。

原稿を書く仕事でも30分が限界で、しかもその間に何度も立ち上がったり机を離れたりします。

これは受験生のころからそうで、参考書を読んだり問題集を解きながら10分おきに部屋の中を歩き回っていました。

 けれども、長い時間集中できないからといって困ることはありません。

短くても集中できる時間があれば、トータルで勉強時間は確保できるからです。

 集中力に自信をもてない人は、最初は自分でも実行できそうな短い時間を組み合わせた勉強計画を立ててください。

 たとえば入浴前の30分と入浴後の30分を夜の勉強時間に当てるようなことです。

 あるいは1時間の勉強で途中に10分の休みを入れてもいいです。

 とにかく「これなら実行できる」という計画からスタートさせることです。

それを続けていくうちに基礎が固まれば、集中できる時間も少しずつ延びできます。

大学受験生に知っておいてほしい時間の使い方

朝の受験生

朝の1時間を変えれば、1日が変わる

朝の受験生
 1日2時間の勉強時間の中に、最低でも1時間のまとまった時間が必要です。

毎日確実に1時間確保できるのは、朝しかありません。

 暗記だけなら細切れの時間を利用できますが、問題を解いてわからないところは

参考書で理解を深めるといった勉強は細切れの時間にはできません。

最低でも1時間できれば90分のまとまった時間が必要です。

 その時間を帰宅してからつくろうと思っても、社会人の場合は仕事が長引いたり疲労が溜まっていたり

あるいは早めに切り上げたつもりのお酒が残っていたりして机に向かっても集中できない日がしばしばあります。

毎日、定時に仕事が終わって食事もすんで8時には勉強を始められるという人はそう多くないと思います。

 その点で朝は安心です。

 夜更かしの習慣がある人でも、早起きを実行することで生活リズムが朝型になります。

夜のムダ時間を一掃する意味でも、静かに勉強できる朝時間の活用にまず着目してください。

風呂の時間を惜しんでも勉強は続かない

受験中も自分の時間を作る
 こころをくつろがせる時間、たとえば入浴や食事、ティータイムのひとときは「必要な時間」です。

ムダ時間というのは「不要な時間」のことです。

 わたしたちにはそれぞれ、必要な時間があります。30分の散歩を続けたり

ストレス発散や体調管理のためにジムに通ったり、あるいは好きな音楽を聴きながらお茶を飲んだりする時間などです。

 そういう時間を惜しんでまで勉強することはありません。

むしろ社会人の場合は、毎日の仕事の疲れをどう癒し、勉強する気持ちに切り替えるかが大事なポイントになってきます。

ゆっくりお風呂につかる時間が何より楽しみという人は

その楽しみを短縮させても勉強の効率は上がりません。

 食事の時間もそうです。朝食をきちんととることはもちろん

夕食も家族とのコミョニケーションや友人との楽しいおしゃべりの時間ですから、わたしたちには必要な時間です。

 これは受験生でも同じです。

朝から晩まで勉強潰けというのは長続きしません。気分がほぐれる時間を大切にすることです。

快活にすごす時間まで勉強に費やすことはありません。

無駄にしていた時間を使いこなす!

受験勉強の時間を捻出

受験勉強の時間を捻出

時間管理といっても特別な方法はありません。時間はつねに流れていることを忘れないこと。ただそれだけです。

無駄にしていた時間を受験勉強に当てる

 いままでムダに流れていた時間を、有効に活用するのが合格するための勉強だと考えてください。

食事や睡眠はもちろん、お風呂や好きなテレビ番組といった息抜きの時間まで削って勉強しようというのではありません。

終盤の追い込み期はともかく、長丁場をすべて息苦しい時間割にしても実行できないからです。

「でもそれで勉強が間に合うのか」という不安は無用です。十分に勉強できます。

 なぜなら、いまの生活にはどうせ、ムダに流れている時間があるからです。

退社後のつき合いを断りきれなかったり、好きな番組を観終わったあともなんとなくテレビの前にいたり

インターネットであちこちのサイトを閲覧し続けたり、毎日ただ漫然とすごしている時間があります。

その時間を、気持ちを切り替えて勉強に当てるだけでいいのです。

 同じことは、大部分の受験生にも思いあたるはずです。

予備校の生徒にも同じことを言うと、「無駄にしていた時間がある」とみんなが素直に受け入れます。

だからこそ伸びるのだと思います。

誰にでも1日に2時間、取り戻せる勉強時間がある

受験勉強する男性
 資格試験をめざす場合、1年の準備期間がある人は1日2時間の勉強時間を目安としてください。

いでしょう。ここで尻込みする人は諦めたほうがいいでしょう。

 1日2時間というのは、社会人にとってはほどよい長さの勉強時間になります。

24時間から仕事に拘束される時間を12時間(通勤時間もふくめる)、睡眠時間を7時間

朝夕の食事や入浴の時間を2時間、休息の時間を1時間引いていくと

残りは2時間ですからほとんどの人が捻出可能なはずです。

 けれども、「数字の上ではたしかに2時間はつくれるが、仕事が終わってからそんな長い時間

毎日続けられるだろうか」と、不安になる人もいるはずです。

 そこで逆の考え方をしてみてください。数字の上では勉強に割けるはずの時間が

たいていの人に毎日2時間はあるのです。

いままでに、いったいその時間はどこに消えでいたのでしょうか。

 2時間の勉強時間というのは、少しも長くありません。

毎日、なんの気なしに浪費していた時間を取り戻すつもりになってください。

次の記事を見る→ 【受験生に知っておいてほしい時間の使い方はこれ!】

大学受験を成功させる勉強のコツ4選

受験勉強のコツ

たくさんの塾でも実践している本当に効果のある大学受験の勉強のコツをご紹介します!

勉強だってウォーミングアップは必要だ

受験勉強のウォーミングアップ
 スポーツの前にからだをほぐすのは常識です。脳もからだの一部。勉強の前に「さあ、やるぞ」という儀式を取り入れてください。

 朝の時間を勉強に当てようとする人はとくにそうですが、目が覚めていきなり机に向かっても効率は上がりません。

かんたんな屈伸運動でもいいし、外の空気にふれながら深呼吸するだけでもいいです。

 とにかく、「きょうも元気だ、がんばるぞ」という気持ちの切り替えが勉強への自信を深めます。

スタートを快調に切れるかどうかというのは、受験生はもちろん、時間のない社会偉人にとって大事なことになってきます。

 仕事が終わった後の夜の勉強でも同じです。疲労感を吹き飛ばす意味でも、柔軟体操やシャワーを浴びるといった儀式は効果的です。

 気分を変え、背筋をシャンとさせて机に向かえば、頭もたちまち”勉強モード”に入ります。

それを毎日続けることで、気持ちの切り替えが上手になってくるのです。

すべての勉強は「わかれば早くなる」

受験勉強のコツ
 何事も基礎を固めている時期はゆっくりしか進めません。

「こんな調子で大丈夫か」と不安にもなります。

でも我慢です。先を急ぐ人からつぶれてしまうのです。

 どういう勉強をする場合でも、前半の時期というのは心細いものです。

覚えなければいけないことは多く、理解力は不足しています。

時間だけはたちまちすぎていきます。自分の決心や向上心が、つい揺れ動くのも仕方ありません。

 でも基礎固めの時期というのはそういうものだと思ってください。

わからないことはそのつど、辞書を引いたり参考書を読んで確かめなければいけません。

わかったと思ったことでも忘れたり曖味になったりして後戻りします。前に進んでいる実感がなかなかもてない時期なのです。

 けれども、そこを乗り切れば次第に勉強のスピードは上がってきます。

理解力が増せば問題の意味もすぐにわかるようになって、答を出すまでの時間も短縮されるのです。

勉強というのは「わかれば早くなる」と信じてください。

受験勉強は「追い込み型」が勝つようになっている!

受験勉強の追い込み
 受験勉強で「先行逃げ切り」は、そうできるものではありません。

終盤の集中力と勉強の密度は爆発的なパワーを秘めていますから、そのパワーを上手に活かした人が合格します。

 わたしは大学受験生にこういいます。

「夏休みの1ヶ月と冬休みの1ヶ月では、勉強のスピードが信じられないくらい違うよ」

 これはほんとうのことで、英語を読むスピードも数学を解くスピードも2倍になっています。

最後のがんばりですから勉強時間も増えています。

時間の使い方も身についてきて密度が濃くなっています。

 何もかもが夏休みより冬休みのほうが進化していますから、実質的なスピードアップは8倍といってもいいほどです。

 これはとんな試験にも当てはまります。受験前1ヶ月ともなれば、切迫感も高まって自分でも驚くほどの集中力が生まれます。

やるべき勉強も絞り込まれてきますから、ムダがなくなります。

ここで一気に力を伸ばす人が、合格を勝ち取るのです。

「悪あがき」できる人が不安をはね飛ばす

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 試験が近づいてもマイペースを崩さず、ベストコンディションを保とうなんて考えないことです。

浮かび上がる不安は「悪あがき」で乗り切るのがいちばんです。

 どんなに自信のある人でも、あれこれ不安が生まれてくるのが試験間際です。

「ベストを尽くした」とか「なるようにしかならない」といい聞かせたところで、こころは落ち着かないのです。

 そういう不安と向き合ってすごしてもいいことはありません。

むしろいままで以上にピッチを上げてしゃにむに勉強に取り組んでください。それができる時期なのです。

 具体的にはすでに説明した「過去問サンドイッチ」のように、実戦形式の勉強で復習を繰り返して、得点可能な範囲をしっかりと固めることです。

 あるいは課題科目の手薄なところをそれこそ「一夜漬け」でもいいから暗記していくことです。そういった「悪あがき」の勉強でも、しゃにむに続けることで不安はくなります。

「一夜漬け」も継り返せは記憶として定着します。

中途半端な気持ちがいちばん無意味なのです。

受験勉強「やる気が出ない…」そんな時の対処法

やる気の出ないときの「勉強パターン」をつくっておこう

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 社会人はコンディションを保つのがむずかしい。調子の出ない日をどう乗り切るか、しっかり作戦を立てておきましょう。

 わたしは受験生に対して、「スランプのときは得意科目を勉強しろ」といい続けてきました。

「きょうはダメだ」と思っても得意科目なら取り組めます。問題を次々に解いていくうちに

「この科目なら大丈夫だな」と自信を取り戻すことができるからです。

 社会人の勉強も基本的には同じです。仕事が忙しかったり心配事があったりで、モチベーションが低下することはしばしばありますが

そういうときには「このやり方」というのをつくっておくと大きく崩れることはなくなります。

勉強にとって何より大事なのは継続ですから、よほど疲れていないかぎり、たとえ短い時間でも机に向かう習慣だけは欠かさないでください。

 たとえば得意科目の参考書を読んだり、自分がめざす資格の専門雑誌をめくるようなことでもいいのです。

「つかず離れず」でも勉強した気分は味わえます。

書店には「勉強する人の空気がみなぎっている」と知れ

書店
 受験は情報戦です。受験雑誌や参考書に目を通してつねに最新の情報に更新することで、対策が立てやすくなります。書店のコーナーで気分もグッと引き締まります。

 勉強している人は書店に足を運ぶものです。資格試験にかぎらず、専門知識を深めたい人や、関心のある分野を深く掘り下げたい人、

あるいは根っからの読書好きといった人たちが日常的に集まる場所、それが書店です。

塾に行く前に書店に行ってみるのもいいかもしれません。

 書店に足を運ぶだけで、そういった人たちが漂わせる空気に包まれます。

自分もそこに身を置くことで、勉強していることを再確認する気持ちになります。書店には書店の心地よさがあるのです。

 しかも書店の資格試験コーナーや雑誌コーナーには、さまざまな情報が提示されています。

最新の出題傾向分析や合格率、合格者の体験談、資格取得後の職務の様子や将来性など、リアルな情報にふれることでモチベーションを維持することができます。

あなたはもう、勉強している人なのですから書店を自分のテリトリーと考えてください。

図書館で問題集を解くと、模擬試験効果が生まれる

図書館で受験勉強
 図書館の自習コーナーは他人に囲まれて勉強します。本番の試験も同じで、周囲の人を気にしないで自分で答案に集中しなければなりません。

 社会人の勉強場所として、図書館の自習コーナーは大いに活用できます。

たとえば平日の遅れを土曜日に取り戻そうと思っても、家族がいて集中できないようなときには図書館に出かけてみてください。

 受験生はもちろん、社会人の勉強家が一心不乱にノートを取ったり参考書を読んだりしています。

そういう中に入ると、慣れないうちはつい周囲を気遣って落ち着かない気持ちになりますが、この環境は模擬試験と同じだと思えばいいのです。

雰囲気に委縮することなく自分の勉強に専念できるようになると、一種の「場慣れ感覚」が身につくのです。

 とくに過去問や問題集を解く勉強は図書館が向いています。

本番と同じ制限時間を守って、他人に囲まれて答案を書く練習のつもりで試してみてください。

たとえば1科目90分の試験というのは、自宅では実行がむずかしくても図書館ならできるのです。

次の記事を見る→ 【流れる時間を使いこなして勉強!】

”勉強ができる人の特徴”

合格する人のノートは「遊び」が多い

受験に成功する人のノート
 ノートに参考書の要点だけまとめるぐらいなら、マーカーを使うかカードで十分です。

どうせノートをつくるなら思い切り遊んでください。

 ノートの美しいことが合格の秘談のように思われがちですが、見た日の美しさなんか気にしないでください。

ていねいにとか、わかりやすくとか、カラフルにとか、そういうことに時間をかけなくてもいいです。

 わたしは受験生のころ、教師の駄酒落や自分の「つっこみ」、思いついたことや関連しそうなことをなんでも書き込みました。

お世辞にも美しいノートとか整ったノートとはいえません。

 でも自分で読めればいいのです。

たくさん書き込んであるようでも、サッと目を通しただけですぐに思い出せるのが自分のノートです。

読むのに時間がかかるということはありません。

やる気のしないときは、そういう遊びのあるノートをめくっているだけでも十分に復習ができるのです。

 もしあなたが大学受験生でしたら、学校のつまらない授業を盛り上げるようなつもりで先生のクセなども書き込む遊びのノートをつくってみてください。

覚える量が少ないほど頭に残る!

受験のために覚える
 せっかく覚えても、そこにすく新しい知識や情報が入ると古い記憶が消えます。

つめ込みすぎてもボロボロこほれます。

ほどよい量を確実に覚えるのが効果的な勉強です。

 当然のことですが、大学の受験勉強は覚えなくていいことまで覚える必要はありません。

過去問を当たってみて出題される可能性がほとんどないことは、覚えなくていいのです。

「もし出たら」という不安はわかりますが、あれもこれも覚えようとすれば当然、

先に覚えたことを忘れたり記憶全体がアヤフヤになってきます。

 それに試験は満点を取る必要はありません。

まさかと思うような問題が出ても、それ以外のところでしっかり点数を稼いでおけば大丈夫です。

 そこで、1日の勉強は出題頻度の高い問題をしっかり覚えることに重点を置いて下さい。

勉強を続けていけば、どれくらいの量や範囲なら覚えられるかわかってきます。

「ついでだから」とその量を超える分まで覚えようとすると、復習に時間がかかるし覚えていないところが出てきて不安になってしまいます。

苦手科目は、後回しにしていい

 気持ちの余裕はすべての勉強に欠かせません。最初から苦手科目の克服に取り組むと、それだけで時間を費やしてしまって焦りが生まれてきます。

 期限内に「課題科目」をすべて終えるのが受験勉強です。

 同時に合格ラインをクリアできるようにするのが受験勉強です。

多くの塾でもそれが行われています。

 ところが最初に苦手科目に取り組んでしまうと、時間ばかり食って思うように得点が伸びません。

その結果、課題科目全体が勉強不足になったり、自分の理解力に自信をなくしたりします。これでは気持ちの余裕など生まれません。

 たしかに苦手科目の克服は大事ですが、どうせなら得意科目の得点をどんどん伸ばして、

「さあ、あとはこの科目の最低点さえクリアすれば大丈夫だ」という状態にもっていったほうが勢いがつきます。

 科目ごとの合格最低点が設けられていない場合は、勉強しても得点の伸びない苦手科目を見切ることも必要です。

 稼げるところで稼ぐのも合格作戦になります。

大学受験の勉強で気をつけたいポイント3つ

わかったつもり勉強法
出典:http://benesse.jp/

①「わかったつもり」の勉強法は失敗する

 答や解説を読めば「そうか」と納得します。では同じ問題をやってみて解けるのかどうか。これが案外、途中でつまずくことがあるのです。
 5分考えてわからなかったら答や解説を読むと書きましたが、それで「わかったつもり」になると失敗します。たとえば空欄を埋める問題でも、答を見て「うん、うん」と納得しておしまいにすると、じつはわかっていない(覚えていない)こともあります。
 すると、どんなに過去問や問題集を解いても記憶に定着していなかったり、理解が曖昧なままに試験を受けることになってしまいます。本番を迎えたときに、「あれ、この問題はたしか解けたはずなんだが」と思ってもあとの祭りなのです。
 そこで「わかったつもり」を避けるためには、答や解説を読んだらできればその日のうち、あるいは翌日の復習のときでも、同じ問題を解くようにしてください。
 ちゃんとわかっていればすぐに答えられますから時間はかかりません。ここで「あれ?」と迷えば、今度こそしっかり覚えることになるのです。

②予習はムダ!復習に徹した受験勉強をしよう

復習する受験生
 記憶の定着ということで考えると、大学の受験勉強は復習がすべてになります。解けなかった問題を参考書で勉強するのも復習、同じ問題を解くのも復習です。
塾でも復習をメインに行なっています。
 たとえば予備校に通ったり講義を受ける場合でも、予習はしなくていいです。講義をしっかり聞き、わからないところは質問し、家に帰ったらその日に習ったことをテキストやノートで確認する。練習問題を解いてみて、解けないところは答や解説を読んで復習する。この繰り返しです。
 一人で勉強する場合も、まず過去問を中心とした問題集を解いて、わからないところを重点的に勉強するのですからやはり復習中心の受験勉強です。脳のメカニズムからいっても、覚えるためには復習が大切で、それも翌日の復習が効果的になります。
 早朝時間を勉強に当てている人はまず前日の復習をすませてください。夜中心の勉強をしている人は通勤、通学時間や勉強の始めに復習です。一度習ったり覚えたりしたことは、短い時間で理解できますから予習よりはるかに効率的な勉強が可能です。

③受験勉強というのは本来、泥臭いものと知れ!

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 資格試験で理屈や理論を求められることはめったにありません。覚えているかどうかを問われるのです。だとすれば泥臭い勉強になるのもやむをえません。
 スーツ姿のビジネスマンがポケットやバッグから暗記カードを引っ張り出すなんて、ちょっと格好悪いですね。でも、そんなところで格好にこだわる人は不合格になります。
 なぜなら、合格をめざす大学の受験勉強は知ったかぶりの理論など無用で、丸暗記しなけばいけない部分がたくさんあるからです。その暗記を、かつてはどうやって克服したでしょうか?
 特別な方法なんてありませんでした。単語帳やカードをつくって持ち歩き、少しの時間を見つけては繰り返し覚えました。勉強部屋はもちろん、トイレや廊下にも張り紙をして必死で暗記したのです。受験生なら当然のことですね。
 これは社会人になっても同じことです。暗記カードはたくさん種類が出ていますから、自分で気に入ったものを選んでポケットやバッグに常備するようにしてください。

大学受験のための参考書選びについて

塾の先生

気に入らない参考書や問題集をいつまでも使うな!

 参考書や問題集は「買ったら最後までやる」と考えないでください。気に入らないなら途中で放り投げて自分に合うものを探すべきです。
「これならいいか」と思って選んだ参考書や問題集が、実際に使ってみると自分に合わないとか、地味すぎて退屈だと感じることはしばしば起こります。たとえばサイズが大きすぎるとか、文字が読みにくいとか、内容はよくても使い勝手が悪いときもあります。
 そういう場合、「でもせっかく買ったんだからもったいない」と思うとつい我慢して使い続けますが、ただでさえ退屈な資格試験の受験勉強に余計な我慢までもち込む必要はありません。大学受験でも同じです。解いていない問題がたくさん残っていても、もっと自分に合う使いやすいものに買い換えてください
「あれこれ手を出すやつは失敗する」というのは間違った考え方で、気に入らないものを我慢して使う人こそ失敗します。何冊かムダになっても、気に入った参考書や問題集を徹底的にやればすむことなのです。

気に入った参考書は「2冊」買うのがコツ!

大学受験のための参考書選び
 同じ参考書を2冊もっていると、1冊はもち歩いて電車の中や時間あるときに目を通せます。これは復習がこまめにできるということで、記憶にしっかり定着します。
 参考書にはどんどんマーカーや書き込みを入れてください。汚く使ってかまいません。覚えたと思った箇所は黒塗りにしてもいいです。
 そして同じ参考書をもう1冊、購入してください。それをもち歩き用にしてもいいし、黒塗りしたほうをもち歩いて記憶を確かめてもいいです。とにかく1冊をいつも手元に置くことでスキマ時間を復習に当てることができます。
 受験勉強は覚えるための勉強ですから、復習に重点を置くべきです。同じ参考書を2冊使うことで、全体の流れやどのページにどんなことが書いてあったかということまで頭に入りやすくなります。
 しかも1冊は思う存分に使えますから、自分用にカスタマイズできます。まっさらの参考書と見比べたときに自分の受験勉強の手ごたえを感じるはずです。

模擬試験の順位や偏差値は気にしなくていい

受験前の偏差値
 大学受験のための勉強の「仕上がり具合」をチェックするのが塾で行われる模擬試験です。順位や偏差値を気にしても、具体的な対策を立てられるわけではありません。
 ある程度勉強が進んだら、予備校やセミナーその他が主催する模擬試験を積極的に受けてみましょう。この「ある程度」というのは、課題科目をひと通り受験勉強した段階のことです。
 ここで「まだ自信がない」とか「結果が悪いとかえって自信をなくす」と考えてはいけません。模擬試験を受けるのは、合格の可能性を判定するためではなく、その時点での勉強の仕上がり具合を確認するためだからです。
 試験の結果を見れば、科目ごとの仕上がり状況がすぐにわかります。「この科目はもう7割得点できるけど、こっちはまだ4割だ。こっちに重点を置いて勉強しなくちゃ」とか、「この科目はずいぶん時間をかけたわりに伸びない。もう見切ってしまって違う科目の得点を伸ばそう」といった修正もできるのです。順位や合否判定にふり回されるだけでは、自分の大学受験勉強の具体的な修正はできません。

大学受験にとっての「過去問」の重要性

受験勉強と過去問

受験勉強は「過去問」に始まって「過去間」に終わる!

 試験に出る問題を解くのが大学受験勉強です。「過去問」にはその試験の出題傾向が網羅されています。知っておくベきです。
 運転免許の学科試験を受けるときに法令集を読む人はいません。みんな手っ取り早く過去問を集めた問題集に目を通そうとするはずです。
 ところが、不合格になる人が結構います。免許の学科試験は50問中45問、つまり90点が合格ラインですから、「交通法規なんて常識でわかる」と高をくくった人は落ちます。実際に問題集を解いてみると、答に迷う設問がいくつかふくまれていて「意外にむずかしいんだな」と気がつくのです。
 試験というのは曖昧な知識が通用しません。○×式の設問でも答に迷うのが10問くらいは混じっています。ここで半分間違えたらもうあとがないのです。過去問を数多く解けば、この曖昧な知識がしっかり定着します。しかも、迷いそうな10問とよく似た問題がたくさんふくまれていますから、確実に合格ラインに届くのです。

「過去間」を解けば、あと難点必要かがわかる

過去問で大学合格
塾でも良くやっていることですが、いまの自分の実力を知ることが大学受験勉強の第一歩です。いま受ければ何点取れるか、その結果によって勉強のやり方が決まります。
 たとえは社会保険労務士の試験は労働基準法、雇用保険法、厚生年金保険法、労務管理といった分野の7科目から出題されます。選択式と択一式の問題があって、どちらも合格ラインゃ各科目の最低合格点が発表されています。合格ラインは年によって変動しますが6〜7割の得点で合格することがわかっています。
 そこで過去問を解いてみれば、自分が合格ラインまで何点不足しているか、最低点をクリアできない科目は何か、いまの実力なら大丈夫そうな科目は何かといったことがわかってきます。
 それによってどの科目に重点を置いて勉強すればいいかがわかりますから、試験日までの学習計画が立てやすくなるのです。
 つまり大学受験受験勉強というのは、「合格ラインと自分の点数のギャップを埋める勉強」ということになります。

5分考えて解けない問題は答を見るべし!

過去問の勉強法
 わからないことや覚えていないことは、いくら答を考えてもムダです。ここで長く考えるクセがついてしまうと本番の試験で時間が足りなくなってしまいます。
 問題を解けないときはすぐに答を見ろ、という意味ではありません。記述式でも○×式でも自分の知識や記憶を整理して答を考える時間は必要です。
 でもそれは、せいぜい3分から5分にしてください。少し考えれば思いついたり思い出すこともあるからです。
 5分以上考えることは、自分の理解力で問題を解こうとする態度になります。これはこれで勉強する態度としては立派ですが、大学受験受験のための勉強法としては間違っています。問題を解くのはあくまで、答や解き方を覚えるためと、いまの自分の実力を知るためです。
 したがって「暗記もの」の問題は覚えてないとわかったらすぐに答を観て下さい。これは思い出そうと考えるだけ時間のムダで、たくさん問題を解きながらどんどん覚え、不安ならカードをつくってスキマ時間に復習する方法が効果的です。