言うまでもありませんが、危険ドラッグやマリファナなどは絶対に使用してはいけません。天王寺の私の塾の教え子たちはそんなことをするとは思いませんが、、、。
使ってもいいと言う記事ではないので、一つの歴史の授業のような気持ちで読んで下さい。
1975年、アメリカ国立精神衛生研究所でジェームズ・エリック・アイクが中心となり、マリファナが記憶の保持(ここでもまた単語の一覧だ)に与える影響を調べる実験が実施された。この実験を通じて、ドラッグの摂取によって、新たに勉強した情報を処理する脳にどのような変化が表れるかについても調べることになっていた。
アイクらは、10人の大学生もしくは卒業間もない元学生を集めると、彼らを研究室に招きいれてマリファナタバコを全員に与えた。といっても、本物のマリファナはそのうちの半分で、残りは「マリファナタバコの偽薬」だ。偽薬は見た目も匂いも本物そっくりだが、薬理作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は一切含まれていない。「被験者は、タバコを深く吸い込んだ状態を8秒間維持するという行為を10秒ごとに繰り返した」と論文に記されている。タバコに専用のホルダーを付けて1本まるまる吸ってもらうのに、約8分を要した」。被験者は、マリファナを吸うのが初めてではなかった。平均して週におよそ5回吸っている。吸い終えて10分もしないうちに、被験者は徐々にハイになっていった。
その判断は、被験者自身の判断と脈拍などの物理的な計測にもとづいて下された。偽薬を吸った被験者には、生理的な変化は表れなかった。この時点で、10人すべてが勉強に取りかかった。被験者は紙を渡され、1分半のあいだに10の単語を覚えるようにと言われた。単語はカテゴリー別に並んでいた。「乗り物路面電車、バス、ヘリコプター、電車」「楽器チェロ、オルガン、トランペット、バンジョー」という具合だ。カテゴリーに分けたのも実験の一環だった。私たち人間は、長く連なった何かを覚えるとき、パターンを探そうとする。よく似た綴りや響きの単語、関連性のある言葉を、同じグループにまとめようとする傾向があるのだ。
カテゴリーを設けたのは、マリファナの摂取が、後で単語を思いだすときに活用するそうした高次の手がかりに影響を与えるかどうかを確かめるためだ。10秒の制限時間が来ると、被験者に配られた紙はすべて回収された。4時間後、ドラッグの影響が表れなくなると、被験者は研究室に戻って再びマリファナを吸った。今回は、最初に本物のマリファナを吸った人の半分に偽薬を吸わせるというように、最初と違うものを半数の被験者に吸わせた。そして10分後、一切復習させずに確認テストを実施した。
半数の被験者のテストは、6分間でできるだけ多くの単語を思いだした順に書くという「自由再生方式」で行った。残りの被験者には、カテゴリー(「乗り物」など)が記載されている用紙を渡し、それを見て思いだした単語を書くという「手がかり再生方式」でテストをした。
そして案の定、自由再生方式でテストを受け、2回とも本物のマリファナを吸った被験者のほうが、2回日は偽薬を吸った被験者よりも%パーセント多く思いだした。これほどの差は見られなかったが、勉強のときに偽薬を吸ったグループの場合も、テストの前も偽薬を吸った被験者のほうが、テストの前に本物のマリファナを吸った被験者よりも点数が高かった。
つまり、被験者の記憶は、単語を覚えたときと脳が同じ状態になったときに最大限に機能し、ハイになるかどうかは関係がな
静かな環境で勉強するのは非効率ではなかったということだ。なぜそうなるのか?その答えは、手がかり再生方式のテストが教えてくれた。こちらのテストの点数は総じて高く、本物のマリファナを吸ったことや吸ったタイミングでの差は見られなかった。
このことから、ハイになっていてもいなくても、脳に保存される単語の数はおおむね「同じ」だとわかる。マリファナを吸っても吸わなくても、単語は脳のなかにあるのだ。ただし、後からそれを思いだすときのために、脳は独自のやり方で単語を整理する。そして、「思いだす手がかり」がいちばんはっきりと現れるのが、それらを覚えたときと脳が同じ状態になったときである。
ハイになっていようと冷静でいようと関係ない。一方、テスト用紙にカテゴリーがすでに記載されていると、脳内の手がかりは不要なものとなる。脳から引っ張りだすより、目の前にあるものを使うほうがずっと楽だ。この実験の論文にも記載されているように、脳に組み込まれた。手がかに同じ状態を復元したからといって、必ずしも引きだされるとは限らない。