①「わかったつもり」の勉強法は失敗する
答や解説を読めば「そうか」と納得します。では同じ問題をやってみて解けるのかどうか。これが案外、途中でつまずくことがあるのです。
5分考えてわからなかったら答や解説を読むと書きましたが、それで「わかったつもり」になると失敗します。たとえば空欄を埋める問題でも、答を見て「うん、うん」と納得しておしまいにすると、じつはわかっていない(覚えていない)こともあります。
すると、どんなに過去問や問題集を解いても記憶に定着していなかったり、理解が曖昧なままに試験を受けることになってしまいます。本番を迎えたときに、「あれ、この問題はたしか解けたはずなんだが」と思ってもあとの祭りなのです。
そこで「わかったつもり」を避けるためには、答や解説を読んだらできればその日のうち、あるいは翌日の復習のときでも、同じ問題を解くようにしてください。
ちゃんとわかっていればすぐに答えられますから時間はかかりません。ここで「あれ?」と迷えば、今度こそしっかり覚えることになるのです。
②予習はムダ!復習に徹した受験勉強をしよう
記憶の定着ということで考えると、大学の受験勉強は復習がすべてになります。解けなかった問題を参考書で勉強するのも復習、同じ問題を解くのも復習です。
塾でも復習をメインに行なっています。
たとえば予備校に通ったり講義を受ける場合でも、予習はしなくていいです。講義をしっかり聞き、わからないところは質問し、家に帰ったらその日に習ったことをテキストやノートで確認する。練習問題を解いてみて、解けないところは答や解説を読んで復習する。この繰り返しです。
一人で勉強する場合も、まず過去問を中心とした問題集を解いて、わからないところを重点的に勉強するのですからやはり復習中心の受験勉強です。脳のメカニズムからいっても、覚えるためには復習が大切で、それも翌日の復習が効果的になります。
早朝時間を勉強に当てている人はまず前日の復習をすませてください。夜中心の勉強をしている人は通勤、通学時間や勉強の始めに復習です。一度習ったり覚えたりしたことは、短い時間で理解できますから予習よりはるかに効率的な勉強が可能です。
③受験勉強というのは本来、泥臭いものと知れ!
資格試験で理屈や理論を求められることはめったにありません。覚えているかどうかを問われるのです。だとすれば泥臭い勉強になるのもやむをえません。
スーツ姿のビジネスマンがポケットやバッグから暗記カードを引っ張り出すなんて、ちょっと格好悪いですね。でも、そんなところで格好にこだわる人は不合格になります。
なぜなら、合格をめざす大学の受験勉強は知ったかぶりの理論など無用で、丸暗記しなけばいけない部分がたくさんあるからです。その暗記を、かつてはどうやって克服したでしょうか?
特別な方法なんてありませんでした。単語帳やカードをつくって持ち歩き、少しの時間を見つけては繰り返し覚えました。勉強部屋はもちろん、トイレや廊下にも張り紙をして必死で暗記したのです。受験生なら当然のことですね。
これは社会人になっても同じことです。暗記カードはたくさん種類が出ていますから、自分で気に入ったものを選んでポケットやバッグに常備するようにしてください。